長岡 英ながおか すぐる
- リハビリテーション科医長
- 脳神経外科認定医
- 脳神経外科領域のリハビリ管理
先生の経歴を教えてください
1996年に順天堂大学医学部を卒業し、同大学の脳神経外科に入局しました。
大学附属病院および関連病院で脳神経外科医として勤務して、2002年に日本脳神経外科学会の認定医資格を取得しています。
2011年から民間病院やクリニックで高齢者医療、訪問診療、回復期リハビリなどに従事してきました。
2023年、くじらホスピタルが新たに回復期リハビリ病棟を開設するタイミングで入職して現在に至ります。
脳神経外科医として長く働いた経験を活かした、脳神経領域のリハビリ管理が得意分野です。
リハビリで心掛けていることは?
回復期リハビリ病棟の患者さまの目的は、多くの場合は自宅へ戻ることです。職場復帰まで目指す方もいますし、中には施設入所を希望する方もいますが、結局のところ「自分の居るべき場所へ帰る」ことだと言えます。そして「居るべき場所」の状況も、そこでまた生きていくために取り戻さなければいけない能力も、一人ひとり違います。
まず患者さまの病態をしっかり把握して、取り巻く状況とあわせて分析して、合理的なリハビリを計画するように心掛けています。
患者さまとのコミュニケーションは?
とにかく「説明する事」を重視しています。入院中に何度か、正式な説明の場を設けます。ご家族の代表の方(キーパーソンと言います)にも必ず同席していただきます。
私の場合、まず「発症の原因、現在の症状、今後どうなるか」をわかりやすく説明する事に力を入れています。そこをしっかり理解していただくと、治療方針、リハビリ計画、生活上の注意点なども理解しやすくなると考えています。
リハビリ医師の達成感とは?
脳外科で働いていた時は、脳や脊髄という複雑な臓器が対象で、重篤な疾患や急患も多いし、治療も顕微鏡手術など特殊で大掛かりなものが多いので、プレッシャーは大きかったですが達成感もありました。しかし治療がうまく行って助かった方も多くは歩けなかったり話せなかったりで、家へ帰れずに転院して行かれました。
脳外科を辞めて回復期リハビリで働き始めた時、会議の場に患者さまの家の間取り図と風呂場やトイレの写真が出てきて驚きました。話題は症状だけでなく玄関の高さや廊下の幅から家族構成や経済面にまで及んで、どんなリハビリが必要か、装具を作製するか、介護サービスはどうするか、自宅改修するか、施設の方がいいか…など、多職種で知恵を絞っていました。議論の幅が医学を飛び出して立体的で、とてもクリエイティブな現場だと感じました。
回復期リハビリでは、全てのケースが応用問題です。病気や障害だけでなく、住居や家族や背負っている人生がもろに影響します。そして我々の武器も医療や介護に限らず、様々な工夫や知識や社会経験が生きてきます。それらを駆使して患者さまが居るべき場所へ帰れた時、脳外科では味わえなかった達成感を感じます。
退院の時、患者さまは数カ月の入院生活の後でやっと自分の居場所へ帰れます。笑顔で「先生ありがとう!」と言って下さる方もいます。脳外科でやり残した仕事を今やらせてもらっているのかな、と感じています。
くじらホスピタルを選ぶ理由について
なにより病院がとてもきれいです。落ち着いた雰囲気でデザインされた内装に絵画や芸術品、植物などが置かれて、まるでホテルのような雰囲気をもたらしています。窓から見える広い空と運河も素敵です。快適な環境でリハビリが行えると思います。
これからリハビリを検討される患者さまへ
リハビリで何よりも大事なのはご本人のリハビリ意欲です。スタッフだけが頑張っても効果はなくて、その意味では勉強やスポーツと同じです。たとえ90歳の患者さまでも「絶対に良くなるんだ」というつよい意志のある方は、必ず伸びます。逆に若い方でも、意欲が乏しければ機能の改善はわずかです。
急性期病院で治療が終わった時、身体の機能が病前よりも大きく低下している事がよくあります。あきらめてご自宅へ帰る前に「回復期リハビリ病院でもうひと頑張りして可能な限り機能を取り戻す」という選択肢をぜひご検討ください。
三並 正芳みなみ まさよし
- リハビリテーション科専門医
- 精神保健指定医
- 脳卒中後の歩行障害・嚥下障害
先生の経歴を教えてください
医師免許取得後、東京都リハビリテーション病院や都立病院、大学病院を中心に勤務し、精神保健指定医、精神科専門医、リハビリテーション科専門医を取得しました。
脳機能に興味を持ち、リハビリによる社会適応が向上する点に着目しています。
精神科医としては、高次脳機能障害や認知症、神経症といった精神疾患の治療に注力しています。
リハビリで心掛けていることは?
患者さま一人一人の症状に合わせて医学的な評価を行い、リハビリが効率良く行えるようにコンディションを維持することを目指しています。
これまで関わった病院の所属チームでは、再発率を最も低く抑え維持することに成功しています。
集中的なリハビリを完了された患者さまについては、社会復帰だけでなく、再就労にも多く成功しています。
障害を患った患者さまが身体的、社会的、職業的、経済的に能力を発揮し、一般人同様に人間らしく生きる権利(全人間的復権)が得られることを目標としています。
患者さまとのコミュニケーションは?
治療方針と回復目標を患者さまと一緒に設定し共有しながら、目指すゴールに向かってリハビリを達成していくことがもっとも大切なことだと考えています。社会復帰するという患者さまの強い気持ちと、その気持ちに応えらえるリハビリ内容を日々研究しています。
リハビリ医師の達成感とは?
自宅復帰や就労といった、一般生活に直結した結果を患者さまと共に達成できた時の喜びは、医師として私自身にも大きな達成感をもたらします。
社会復帰された患者さまの元気な姿は、担当医にとっても代えがたい心の支えになります。
くじらホスピタルを選ぶ理由について
リハビリ期間や回復期で精神科専門医が常勤している病院は稀です。心身共にケアすることができ、回復目標に向かって安心して訓練に取り組むことができます。
また、芸術作品でレイアウトされた居心地の良い病室で脳機能の改善を目指すことができます。立地も湾岸地区で、アクセスの良い病院です。見学も気軽にご相談ください。
これからリハビリを検討される患者さまへ
「治療が終わったのでリハビリぐらいしかない」では、治療が完了したとは言えません。外科治療後は「リハビリが医療の中心の病状」となることが意外と多くあるのです。
リハビリによって諦めていたことができるようになることはよくあります。それだけでなく、身体機能の向上が連鎖的に発揮することも珍しい事ではありません。
あきらめない事が大切です。