発達障害とは脳機能の違いにより行動や感情面に特徴がある状態です。コミニュケーションや対人関係で困難を抱えやすく、また、発達障害であっても本人は気がつきにくく、周囲からしばしば「自分勝手な人」「変わった人」「厄介者」とみなされ、学校で友だちができない、仕事で人間関係がうまくいかないないなど、生きづらさを感じることがあります。

生まれつきの特性であり、あくまで育った環境や教育の問題はなく、脳機能の障害と考えられています。
代表的なものとして自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動症(ADHD)、学習障害LD/限局性学習症(SLD)、チック症、吃音などがあります。
自閉症スペクトラム障害(ASD)ではコミュニケーションの場面で、言葉や視線、表情、身振りなどを用いてのやりとりが難しく、自分の気持ちを相手に伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりするのに苦労します。また、特定のことに強い関心を持ち、こだわりが強いなどの特徴がみられます。また感覚が過敏で、人より物音に過敏ですぐにびっくりしやすい、味の違いに過敏で食べ物の好き嫌いがはっきりする、などで現れることもあります。
ADHDは発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない、注意が持続しにくい、作業にミスが多いなど多動、衝動、不注意の3大症状があります。3つ全てではなく1つのみが見られる場合もあります。最近では成人のADHDの悩み相談も増えています。

学習障害とは知的な発達に問題がないのに読み書き、計算などの特定の学習のみに困難が見られる状態を言います。
これらの症状は学校や職場での過ごし方を工夫したり、一部の障害では薬による治療を行ったりすることでコントロール可能になり、日常生活の困難を軽減させることが出来ます。

治療について

診察

発達障害は、その人が生まれながらにして持っている特徴的な物事の解釈の仕方、感じ方が大きく関わってきます。根本的にそれらの特性を変えることは現実的ではありません。生活上で上手くいかないと感じること、「生きづらさ」を減らしていくための工夫が重要になります。
診察ではこのような工夫のアドバイスに加え副次的に生じているうつや不眠などの症状も治療していきます。

薬について

一般的に発達障害そのものに対しての特効薬はありません。しかし、ADHDのような一部の症状では薬物療法が劇的に効果を発揮する場合があります。また、「生きづらさ」からくる抑うつや、情動不安に対して抗うつ薬、気分安定薬などの向精神薬を使用する場合があります。

ご家族のケア、相談

ご家族間の問題が病気に関係している場合があるため、ご家族の方にも診療で同席して頂くことがあります。また、家庭内でややこしい問題が発生している場合はソーシャルワーカーが介入してサポートすることも可能です。

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