暴力やレイプ被害、交通事故や自然災害など、死の危険を感じるほどの大きな出来事を体験したり見たりしたとき、後遺症として、強い不安、不眠や悪夢、幻聴、集中力の低下、パニック症状などの障害が残ることがあります。周囲への強い不信感から抑うつ状態になったり、感情が乏しくなる、無力感にとらわれて人格が変化するといったことも起こります。怒りが発散できず怒りっぽくなったり、怒りを自分に向けてしまうことで自傷行為や自己否定につながる方もいます。

外傷体験後1カ月以降に出てくる症状が心的外傷後ストレス障害(PTSD)といわれています。心的外傷後ストレス障害(PTSD)では、家庭内の暴力(DV)など、慢性的・継続的に被害を受けている被害者が恐怖に支配されることから正常な感覚を失い、無気力状態になることで相談や脱出の機会を失い、発見が遅れるという問題もあります。こうしたケースでは安心できる保護施設などを利用し、長い時間をかけて治療していきます。

治療について

診察

混乱している場合や、症状だけに注目して受診する患者様もいますので、医師が精神療法的な手法で、じっくりとカウンセリングを行い、原因となる事柄を探っていきます。

薬について

依心的外傷後ストレス障害(PTSD)が原因でうつ状態、幻聴、睡眠障害、かい難性障害といった症状が出ている場合は、そうした症状をやわらげ、安心して休めるような薬を処方します。

各種療法

人と接することが可能であれば、アートセラピーなどの集団療法への参加も効果的です。

社会復帰支援

外来で職場復帰や家族との接し方など、通常の社会生活を送れるようにアドバイスを行います。行政などの自治体ネットワークと連携しケースワーカーが患者様の生活に役立つ情報を提供します。

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